クレアチンはすごい
クレアチンはトレーニーだけでなく運動するかたにとっては、最も効果的なサプリメントと言えるのではないでしょうか。
- 多くの研究
- 効果、安全性を示すエビデンス
- 価格
数あるサプリメントの中でも、これほどまでにおすすめされているサプリメントはプロテイン以外に存在しないかもしれません。
以下の図でわかるとおり、ISSNのメタ分析でも、効果と安全性に対して、しかっかりとしたエビデンスが示されています。

ISSNでは赤枠で囲ったように、他にも効果があるとするものをまとめています。
そちらが気になるかたは以前の記事をご覧ください。

クレアチンの効果
まずはじめに述べておきますが、クレアチンには、クレアチンHCLやクレアルカリンといった複数種類が存在しますが、本記事で紹介していくのは「クレアチンモノハイドレート」になりますのでご注意ください。
※以後「クレアチンモノハイドレート」は「クレアチン」と記載します

まずはISSNで書かれている内容を紹介しておきましょう。
このメタ分析では「アスリートにとって最も効果的なサプリメントがクレアチンである。」と述べています。
具体的には、以下の効果があげられます。
- エネルギーを作り出す
- トレーニング強度の増加
- 筋肉量の増加
- 記憶力増加
エネルギーを作り出す

ATP(アデノシン三リン酸)が、力を発揮する際のエネルギー材料となっていますが、
メカニズムとしては図のとおり、ATPが消費されADP(アデノシン二リン酸)になったところに、クレアチンのリン酸が追加されることで、ADPがATPに再生することを助けます。
トレーニング強度の増加
上の図の説明のとおり、より多くのエネルギーが供給されることから、挙上回数が増えます。
さらに5〜10%の筋力増加も見込めるため、全体的にトレーニング強度を増やすことができます。
筋肉量の増加
筋サテライト細胞を増やす
サテライト(衛星)細胞というものが筋肉の周りにあるのですが、これは”まだちゃんとした細胞ではない若い細胞”ですがトレーニングなどで刺激が加わると、この衛星細胞がもともと存在する筋肉細胞にくっつき、しっかりとした筋肉細胞に変わります。
この融合にクレアチンが使われます。
つまり、クレアチンは筋肉細胞が増える手助けもしてくれるのです。
ミオスタチンを減らす
ミオスタチンは筋抑制因子と言われており、タンパク質を有効に使うためのものです。
しかし実は、過剰な筋肉は人間が生きていくうえではそれほど重要ではなく、筋肉以上に内臓や神経伝達物質のほうが重要です。
そこでタンパク質が筋肉に回るらないようにする働きをするのがミオスタチン(筋抑制因子)です。
現代の日本のような食生活ができるのであれば問題ないのですが、昔は栄養素をできるだけ無駄なく適切に配分する必要があったことは想像に難くないと思います。
そういった意味で、タンパク質を有効に使うための遺伝子がミオスタチンです。
クレアチン摂取で、このミオスタチンを減らす=筋肉にタンパク質が回りやすくすることができます。
水分を引き込む
クレアチンを摂取すると水を含んで体重が増加しますが、筋肉に水を引き込むこと自体も筋肥大に効果的なのではないかと言われています。
記憶力の向上
運動能力以外の部分でも、良い効果をもたらしそうです。
クレアチンの摂取が短期記憶の向上に寄与するとの研究も存在します。
また、脳は多くのエネルギーを消費しますが、クレアチンがエネルギーの調整をすると述べる研究があるなど、運動以外の分野での研究も進んできています。
しかし、こちらの分野での研究はまだまだ精査していく余地があることは否めません。
クレアチンの副作用
- 体重増加のみ
いくつかの論文では問題点をあげているとしつつも、長期、短期両面で行われた安全性に関する様々な研究を加味し、ISSNのメタ分析では、副作用は体重増加のみと結論づけています。
一応、問題点としてあげられている論文に目を通しましたが、内容は肝臓や腎臓へのダメージを指摘するものでした。
しかし、前述のとおり、これらその他要因でも発生するものでもあるとする論文なども複数存在し、後者が優勢と判断されています。
クレアチンの摂取方法
摂取量
摂取量
- 1日3g(普通の人の場合)
- 1日5g程度(ハードにトレーニングする人やアスリート)
- 一度に1gの摂取を複数回
3g程度を毎日摂取します。
ハードにトレーニングするかたや、アスリートの場合は消費量も多いため、少し量を増やし5g程度の摂取を試してみてください。
この摂取量で約4週間で飽和状態に達します。
小分けに摂取する
クレアチンは吸収しにくいものでもあるため、まとめて摂取すると下痢をしてしまう可能性も高いです。
そのため、小分けにし、水に溶かして摂取するようにしてみてください。
水に溶かす場合は100mlの常温で1g程度だと溶けやすいです。
安全数値範囲
ISSNのメタ分析では安全な範囲の摂取量を0.8g×体重kgとしています。
こちらの研究では体重が70kgの被験者が、毎日21〜56gの摂取を数年続けても大きな問題がなかったと述べています。
タイミング
個人的には、タイミングはそこまで重要でなく、1日でしっかりと規定量を摂取し、クレアチンを体内に多く貯蔵していくことが大切だと思っています。
しかし、強いてあげるとすれば以下でしょうか。
- インスリンが分泌されるタイミングでの摂取
インスリンが分泌されるタイミングでの摂取が効果的とされているので、食事や糖質をとる際の摂取が望ましいです。
上記の方法であれば食後、またはワークアウトドリンクに糖質を入れているのであればそこに追加することも良いかもしれません。
僕はトレーニングの日であれば、ワークアウトドリンクに混ぜ、オフの日であればプロテインを飲む際に混ぜて飲んでしまっています。
補足
- 具体的な糖質の量として、33g程度の糖質と一緒に摂取することで単体でとるよりも効果的という研究もあります。
- 糖質+クレアチン、糖質+タンパク質+クレアチンでの摂取で筋肉への取り込みがよくなったとの研究もあります。
しかしこれはクレアチン単体よりも僅かな上昇のようです。 - トレーニング後のほうが効果的と言われることもありますが、これはトレーニング後はインスリン感受性が高まっているためとの研究もあります。
摂取時の注意点
水分の摂取量は増やしたほうが良いかもしれません。
こういった記載は論文内にはありませんが、クレアチンは筋肉内に水分を多く引き込む働きをします。
そのためか水分が不足し筋肉がつりやすくなるといった話を聞くことは多いです。
水分の摂取が大切なのはクレアチン摂取時のみではないので、小まめに水分補給をするようにしましょう。
ローディング
ローディングに関しては、ISSNのメタ分析では、5〜7日間は1日体重1kgあたり0.3gの摂取との記載があります。
これを1日5回に分けて摂取します。
その後は上記のとおり、毎日3〜5gを摂取していきます。
しかし、毎日3g程度の摂取でも4週間ほどで飽和状態になるため、ローディングは必ずしも必要ではありません。
実際に、僕はローディングをしたことはありません。
というのも試したところ、下痢が酷かったので1日もたずしてやめてしまいました。
早急に飽和させたいということでなければ、4週間かけるのが良いかと思います。
休止期間
休止期間を設けたほうがよいといった研究も少ないようです。
また、安全数値範囲の部分で述べたように、かなりの量を数年に渡って摂取した場合でも問題がなかったという研究や、
以下のように、1日5g〜10gの摂取を21ヶ月継続しても健康指標に問題はないようです。
そのため、個人的にも休止期間をつくる必要はないのではないかと思っています。
クレアチンの種類
クレアチンに関して多くの研究で使われているものが、「クレアチンモノハイドレート」です。
研究数に関してもその他と比べて、モノハイドレートのものが圧倒的に多いのが現状です。
また、HCLや他のタイプのクレアチンがモノハイドレートよりも効果的であったという研究は現状見つかっていないようです。
また、クレアチンは液体に溶かし長時間経つと効果がなくなる可能性があります、そのため、液体クレアチンは好ましくないかもしれません。
モノハイドレートが最も安価であることや、上述のとおりエビデンスの観点から見ても、モノハイドレートの摂取をおすすめします
どこのメーカーを買えばいいか
強いて言えば、「Creapure」の記載があるものが
- 高純度
- ドーピングなどへの安全性の保証
- ヴィーガン対応であり、コーシャ認証、ハラール認証を取得
などの理由で良いのかなと思っています。
僕自身も一応こちらのクレアチンを使うようにしています。
しかし正直に言うと、どこでも良いとも思っています。
かなり研究も進み、数多くのメーカーが出しているからこそ、品質のばらつきも少ないものであると考えているからです。
僕が使っているもの
言わずと知れたメーカーで「Creapure」の記載もあります。
EAAなどと比較しても高価ではありません。
これで300g、1日3gの摂取とすると100日分。
つまり毎日摂取で1日あたり、10円ちょっと
iHerbはもちろんのこと、Amazonでも簡単に探せますので、安価なものから試してみてもよいかもしれません。
→IHerb:Optimum Nutrition, クレアチンパウダー
→Amazon:Optimum Nutrition, クレアチンパウダー
効果を感じない人
「 エネルギーを作り出す」の部分で書きましたが、ATPの消費は速筋が多く使われる時に増えます。
一方、遅筋が多く使われる時は、別のエネルギー系統も多く関与し、ATPの消費も少なくなります。
そのため、遺伝的に遅筋が多い人は筋力の向上という点では、クレアチンの効果を感じにくい可能性もあります。
また、クレアチンは肉や魚に多く含まれるため、これらを日常的に多く食べているかたは、すでに多くのクレアチンが体内にあるため、効果が出にくい可能性もあります。
本日のまとめ
- モノハイドレートは多くのエビデンスを持つ
- エネルギー産出、筋力向上、筋肥大などの効果
- 安全性も高い
- 摂取量は3〜5g程度
- 小分けにして摂取する
今回はクレアチンについて見てきましたが、以下の記事ではエビデンスベースで効果があるサプリメントを紹介しています。クレアチンのように興味があるかたはぜひみてみてください。無駄なサプリメント購入も減るかと思います。
