筋トレをしていて、「筋肥大させたい」「強くなりたい」と思うかたが、最も意識しなければいけないことが「漸進性過負荷の原則」(ぜんしんせいかふかのげんそく)というものです。
筋トレにおいて、他にも大切なことはもちろん他にも数多くありますが、とても大切なことなので紹介したいと思います。
ある程度ハードにトレーニングしているかたは「漸進性過負荷の原則」という言葉を聞いたことがあるでしょう。
しかし、実際にそれが何を意味するかを明確に答えられる人は少ないのではないでしょうか?
あるいは「漸進性過負荷の原則」と聞くとあるひとつの要素だけだと認識している場合が多いように思います。
ここから先に読み進める前に、一度「漸進性過負荷の原則とは?」と考えてみてください。
もし、実際にどのようにトレーニングすることがこの「漸進性過負荷の原則」にあたるのかを具現化できない場合は、この記事はとても参考になると思うのでぜひ最後まで目を通してみてください。
この後6つの具体例をご紹介します。
- 漸進性過負荷の原則の基礎知識
- 漸進性過負荷の原則6要素
漸進性過負荷の原則の基礎知識
まずは、なぜこの漸進性過負荷の原則が筋トレを行う上で最も大切かを簡単に説明します。
漢字でこう書くと、少し難しく感じてしまうのですが、分解してみると簡単です。
- 順を追ってだんだんに進むこと
- 少しずつ進歩すること
- 許容以上に大きな負荷をかけること
つまり、自分の身体の限界を超えて負荷をかけること。しかしそれは少しずつ、限界を超えていく。といったイメージです。
具体的に数字を出してみましょう。
10が限界だとしたら、そこに満たない8や9ではダメなわけです。
そして、限界を超えるといっても15、20とする必要もなく、11、12あたりが適切といったイメージでしょうか。
とにかく、大きく強くなりたかったら、前回の自分を超えていかなければならないわけです。
しかし、無理しすぎる必要性はないということです。
筋肥大が起こるメカニズムは「ストレス応答」ということが今の主流の考え方です。
これは簡単に言うと「トレーニングで負荷がかかり、このままの身体ではこのストレスに耐えることができない。ヤバイ。身体を大きくして強くならなければ」と身体が反応することです。
なので、漸進性過負荷の原則と筋肥大がしっかりと繋がってくるということはご理解いただけたのではないでしょうか。
では次に、この漸進性過負荷の原則とは実際にどいう方法でトレーニングしていくことなのか、ということについて説明していきます。
重量を伸ばしていく
前置きの部分で、一度「漸進性過負荷の原則とは?」と考えてみてください。と書きましたが、多くの方が、「重量を伸ばしていくことじゃないの?」と思ったかもしれません。
はい。そのとおりです。
漸進性過負荷の原則といって最も広く認知されていることはこの部分ではないでしょうか。
最もわかりやすい部分ではありますが、使用重量を伸ばしていくことがとても大切です。
しかし、ここでしっかりと認識しておかなければいけないことは、
同じレップ数での使用重量を伸ばすということです。
ベンチプレスを例に。
Day1:100kg、10rep
Day2:105kg、7rep
とかではなくて
Day1:100kg、10rep
Day2:105kg、10rep
といった感じで、同じレップ数で扱える重量が増加したかをみます。
厳密にいうと色々ややこしくなるのでスキップしますが、後者では明らかに成長していることがわかるかと思います。
レップ数を増やす
「重量を伸ばしていく」ことに関しては、多くの方が認識していることかもしれませんが、意外と見逃されがちな要素が「レップ数」です。
扱う重量が変わらずとも、レップ数が増えている。
これも過負荷に成功していることになります。
こちらでもベンチプレスを例に。
Day1:100kg、10rep
Day2:100kg、12rep
こちらも成長していることがわかるかと思います。
ボリュームを増やす
「ボリュームを増やす」イコール、前述の「重量を伸ばす」と「レップ数を増やす」の掛け合わせと考えてください。
ボリュームとは?
基本的には以下のような考え方です。
「使用重量」×「レップ数」×「セット数」
つまり、前述した「重量を伸ばす」や「レップ数を増やす」ことのみで過負荷が見込めない場合は、セット数を増やすことで総ボリュームを増加させます。
こういった考えも漸進性過負荷の原則に該当します。
こちらでもベンチプレスを例に。
Day1:100kg×10rep×3set
→総ボリュームは3,000kg
Day2:100kg×10rep×4set
→総ボリュームは4,000kg
こういった具合になります。
トレーニング頻度を増やす
こちらはボリュームに通ずる部分になりますが、トレーニングの頻度を増やすことで、トータルのボリュームを増加させることで過負荷を狙います。
1週間の例で見るとわかりやすいです。
Week1
Day1:100kg×10rep×5set
→総ボリュームは5,000kg
Week2
Day1:100kg×10rep×3set
Day2:100kg×10rep×3set
→総ボリュームは6,000kg
と一度のトレーニングではボリュームが低くとも、1週間単位で見るとボリュームが増えていることがわかります。
こういった方法でも過負荷を望めます。
レップ持続時間を変更する
ここからは、ここまで述べてきたこととは少し違った視点になります。
TUT(タイム・アンダー・テンション)などと言われる言葉がありますが、これは筋肉が緊張している時間を指します。
つまり、筋肉に負荷が乗っている時間を伸ばすことで負荷を増やすということになります。
例えば1レップに3秒かけるとすると、10レップ行った場合のTUTは30秒です。
1rep1秒
1秒×10rep×3set
→TUTは30
1rep3秒
3秒×10rep×3set
→TUTは90
このように筋肉に負荷が乗っている状態が長くなることで負荷を増やすというわけです。
新たなトレーニング手法を取り入れる
ここまで書いたことの延長のようなものになりますが、今までやったことのないトレーニング手法を取り入れることも、今までにない負荷を与えるということで、自らのキャパシティーを超えるためにできる一つの方法になります。
具体的には、ドロップセットやレストポーズ法、加圧トレーニングなど様々な方法で今までにない負荷を与えることで、またひとつ違う領域に進むことができます。
MATOME
ここまで読んでいただきありがとうございます。
僕はトレーニングがマンネリ化するということはないのですが、こういったことを知ることで、また違った筋トレの楽しみ方にもつながるかもしれません。
みなさんの筋肥大がより進むことと、より楽しい筋トレになることを祈って本日の記事を締めくくりたいと思います。