最近トレーニング界隈ではそれなりに耳にすることが多くなりましたが、RPEとうワードはまだまだ一般的に認知されている訳ではないかと思います。
しかし、トレーニングにRPEを上手く取り入れることで、筋力向上や筋肥大にポジティブな影響を与えられるかもしれません。
ぜひ本記事を参考に活用してみてください。
- RPEとは?
- RPE活用のメリット
- RPEの実際の活用方法
今回は以下の3文献をもとにRPEについてご紹介していきます。
articles.reactivetrainingsystems.com
RPEとは?
Rating of Perceived Exertion (RPE)のことで、主観的運動強度という意味です。
簡単に言うと「どれくらいキツかったか」という自分自身の感覚を決まった数値で表すことです。
ウエイトトレーニングにおいて用いるRPEは、セットにおいて「あと何レップ出来たか?」という主観を表現します。
RPEを言語化すると

具体的にどのような感じかというと、この図のような感覚になります。
RPEチャートの使い方

このチャートを使いe1RM(estimated 1RM)を算出することができます。
推定1RM、つまり1発のMax重量を推測できるということです。
例として、赤ワクで囲った部分を見てください。ベンチプレス100kg×5rep、RPE9で考えて見ましょう。
→100÷0.837=約119kg
と推定の1RMを出せるわけです。
しかし、このチャートにも問題があります。
それは、このチャートのパーセントの部分は決まっているわけではなく、様々なものが存在するということです。
可動域や速筋・遅筋の割合などで、個人によって数値が変化するのです。
つまり、自分自身でこのような表を作らない限り、正確なe1RMを導き出すことができません。
さらに、種目によっても数字は異なってしまうので、正確な表をそれぞれの種目に対して作る必要も出てきます。
こちらのRPE計算も使ってみてください。
RPE Calcurator
なぜRPEを使うのか?
調子を考慮して
これには僕たち人間の「調子」が関係してきます。
トレーニーの多くは筋トレだけで生活をしているわけではないと思います。
僕もそうですが、家庭状況や仕事の関係で、睡眠時間が短くなってしまったり、食事管理が思うようにできなかったり、といった状況があるかと思います。
こういった条件によって「調子」は大きく変わることはみなさん経験があるのではないでしょうか?
筋トレも同様で、「調子」は挙上重量にも影響してきます。
そこでRPEを使うことによって、その日の調子に合わせ疲労を管理することができます。
前回よりも重量を扱えないケース(体調が悪い、肩が痛い…)が出てくることもあるかもしれませんが、あまりに大きな差(10〜20kg)が出るのは好ましくありませんが、2.5kg〜5kg程度は許容範囲と思ってよいでしょう。
余力を残しながら…
僕は個人的にはRM換算表を使い、Max重量が伸びているかを定量的に見てきました。
そのため、RM換算表との違いはなんなのか?という疑問が浮かびました。
大体、以下のような見解なのではないでしょうか?
RMでの測定では常に限界回数まで行わなければいけませんが、RPEチャートの指標を使うことで、余力を残したトレーニングにおいても、推定のMax重量を計測できるようになるのではないでしょうか?
パワーリフティングでは、練習の頻度もボディメイクと比べ多くなります。
そのため、毎回のトレーニングで限界repをこなすRM換算では疲労の蓄積も多くなってしまいます。
しかしこれでは、都度のトレーニングでMax重量が伸びているのか?の測定が難しいことから、こちらを用いているのではないでしょうか?
※ここは詳しく調べていないので僕個人の見解です。すみません
RPEの具体的活用(実践)
ベンチプレスを3セット行う場合を例にとって見ていきましょう。
- ベンチプレス1RM:100kg
- RPE8で実践
この2点を踏まえて進めていきます。
100kgを1発挙げられる人であれば、80kgではだいたい10repがギリギリこなせる数かと思います。
この状態で、RPE8でベンチプレスのメニューを組もうと思うと、80kg8repとなります。
この80kgの重量で3セット行っていきます。
1セット目RPE8
2セット目RPE8-8.5
3セット目RPE8.5-9
すると、だいたいこのような感覚になっていくかと思いますが、これで問題ありません。
同じ重量を扱えば、1セット目よりも2セット目のほうが重く感じるはずです。
インターバルをつめて行わなければいけない場合や、どうしても2、3セット目がRPE9-9.5以上になってしまいそうな場合は、少し軽くして(1㎏-2.5㎏)2、3セット目に入ります。
このようにして、オールアウトの手前で終えるようにすることで、疲労を溜めすぎることなく、ボリュームを稼いでいきます。
「ギリギリまで追い込まなくて良いのか?」
こう疑問に思う方もいるかもしれませんが、こちらについて簡単に紹介しようと思います。
筋肥大にオールアウトは必須ではない

実は最近の研究(2019年10月)ではギリギリまで追い込む必要がないことがわかってきています。
ショーエンフェルト博士が関わっている以下の研究から簡単に紹介していきます。
(多分、有料なのでみなさんは詳細を見れないと思います。)
こちらによると、図のとおりではありますが、オールアウトの2、3rep手前でも筋肥大には十分な効果を期待できるとのことです。
また、オールアウトまで追い込むことによって、回復までの時間が大幅に増加することなどデメリットまで指摘されています。
こういったことからも、RPEを活用していくことにメリットはありそうだと、僕自身は考えています。
Does Training to Failure Maximize Muscle Hypertrophy?
まとめ
- あと何レップ出来たか?という自分自身の感覚
- 限界まで追い込まずとも、Max重量がわかる、成長しているかの指標とできる
- オールアウトは筋肥大に必須ではない
今回はRPEについて見てきましたが、僕は定量的に成長を計ることを以前からおすすめしています。
その指標としてRPEを使ってみることも、ひとつの方法として有効かもしれません。
今回の記事が少しでも、みなさんの参考になれば幸いです。
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