- 筋トレは本当にダイエットに効果があるのか?
- 「代謝」という答えでは不十分な理由
筋トレはダイエットに効果的論
「筋トレすると痩せやすくなります」
「筋トレすると基礎代謝が上がります」
確かにこれは決して、間違いではありません。
しかし、こういった話一辺倒で、筋トレがダイエットや減量に効果的だという話を聞くたびに、僕は違和感を覚えます。
なぜかというと、世に出回っているほとんどの「筋トレはダイエットに効果的論」として華々しく語られている理屈が不十分であったり、聞こえのいい八方美人的な答えに終始しているからです。
どのくらい基礎代謝が上がるかご存知ですか?
筋肉が増えてどのくらい基礎代謝が上がるか?
みなさんはご存知でしょうか?
多くの人がすぐには答えられないでしょう。
また、「筋トレすると基礎代謝が上がります」と言う人にこの質問を投げかけて、的確な答えが返って来ることもほぼないでしょう。
なぜなら、具体的に答えられる人であれば、それがどれだけ微力かを知っているはずだからです。
そもそも基礎代謝について
まず前提として、基礎代謝量を決める要素は個人がコントールできる範囲を遥かに超えているということは認識すべき大きなポイントです。
例えば、その要素として遺伝子や性別、年齢だけでなく内臓などを含む臓器のサイズがかなり大きな割合を占めていたりもします。
基礎代謝量を決める要素として、43%が臓器のサイズによるものだと述べる研究もあります。
筋肉量と基礎代謝
上述のような前提を理解したうえで、筋肉量の増加によって増える基礎代謝量について、具体的な数値を見ていきましょう。
- 筋肉1ポンド(約450g)あたりの消費カロリーはだいたい6kcal(1日)
- これは脂肪の3倍ほどの数値感
この数値を見てみなさんはどう感じましたか?
まだ、ピンとこない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
コンテストに出るような方であれば1kgの筋肉をつけることの大変さは十分理解してくださると思います。
そして、1kgの筋肉を増やしたところで1日の基礎代謝は13kcal程度しか増えないということです。
もちろん、筋トレ初心者であれば、1ヶ月で10kgと凄まじく筋肉量を増やすことも可能ではあります。
しかし、10kg増えたところで130kcal程度しか消費量は増えないということです。
これはプロテインシェイク1杯、コンビニのおにぎり1個で満たしてしまうカロリーです。
9ヶ月間の筋トレで変わった代謝
次に、9ヶ月間の筋トレがどの程度安静時の代謝に影響するかを調べた研究を紹介します。
こちらの分析は、除脂肪体重が安静時の代謝に大きく影響するのではという仮説をもとに行われたものになります。
- 9ヶ月間の筋トレによって除脂肪体重が増加
- 除脂肪体重の増加が代謝にどのような影響を与えたか
といった感じで安静時の代謝を分析しています。
結論として、9ヶ月間の筋トレによって、平均で安静時の代謝が最大5%まで増加したと報告しています。
しかし、この結果には除脂肪体重の増加や甲状腺ホルモンの影響など、個人間によってばらつきがあるということも述べられています。
そして、ここでもあらためてお伝えしたいことは、この5%という部分です。
確かに代謝にプラスな影響を与えていることは確かですが、果たしてこれがどれほどのものかということはしっかりと認識しておくべきだと、僕は考えます。
もちろん1日、1週間、1ヶ月、1年とそれが続けば大きな積み上げになることは間違いありません。
しかし、「筋トレして代謝が上がったから、食べる量を増やしても大丈夫」
こういったマインドには決してならないほど微力であることは決して忘れてはいけないと思うのです。
筋トレは本当にダイエットに効果がないのか?
ここまでは、こういった形で筋トレはダイエットに効果がないといったようなニュアンスの書き方をしてきましたが、決してそうではないということはしっかりとお伝えさせてください。
よく言われている筋トレとダイエットの関係で「基礎代謝が増える」といった事ばかりが伝えられていることに対して、僕は「そうではないだろ」と思っているし、そこにしかフォーカスしないような伝え方が蔓延していることを非常に残念に思っているということです。
聞こえの良い事ばかりをつらつらと述べて、人を騙しているようで嫌だなと思っているといるわけです。
なので、僕は少なくとも正しいことを発信して、少しでも多くの人達に、しっかりと自分の身体と向き合ってほしいなという想いで本記事(いや全ての記事をそういう想いで)を書いています。
微力ながらも、少しでも正しい理解が広まることを願って。
とはいえ、結論を述べると、やはり筋トレはダイエットに効果的なのです!
別記事で、なぜ筋トレがダイエットに効果的なのか、あまり世の中で語られていない内容を深堀していこうと思う。
それではまた次回の記事で!